2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

寒さに負けず

ポケットに手を入れた。天気予報では、暖かいと言っていたが、風が冷たかった。 「ゆめちゃん、ダウン持ってなかった?」と遥子ちゃんが聞くのも、私が着ている上着が、薄手だったからだ。長年着ていたダウンは、この冬が来る前に処分した。着る時期が来たら…

平日の自由

騒音が鳴りやんだ。昼休みの知らせだ。静かなうちに、お昼ご飯を済ませておこうと、昨日のおかゆの残りを温めた。 一昨日から続いていた胃の痛みは、今朝になって治まった。しかし、まだ体は重い。訓練校が修了し、その後、立て続けに入っていた予定を終える…

年に一度

"Reception"と背後の壁に書かれた、長いカウンターには窓口が7つもあった。どの窓口もフル稼働で、待合室で待つ人達が次々と呼ばれていく。 席に着くと、私に充てられた番号の、一つ前の番号が呼ばれた。待合室の混み具合とは裏腹に、すぐ呼ばれるのだなと…

想い

携帯電話のアラーム音に胸がチクりとする。平日の7時5分にセットしていたアラームを停止した。明日以降、鳴らないように削除した。 「今日は眠そうだね」と言われ、その通りだった。昨晩はなかなか寝付けなかった。課題に追われて、ここのところ睡眠不足だっ…

冬の日

湯舟に浸かると、体が冷え切っていることを実感する。私の体積分の湯が浴槽から一気に流れでる。湯が捌けるまで、時間を要している様子を目の当たりにして、排水溝の掃除を怠っていることに気付く。まるで銭湯のように、並々と浴槽に張られた湯は、夫が追い…

便り

メールの受信箱に、見慣れない差出人の名があった。親切なお知らせは、終了と同時に継続を促すものだった。しかし、私には継続の必要はもうない。 届いた封筒のうち何通かは、ファイルに収めた記憶がある。途中から、その辺に置きだした。だいたいここら辺と…

環境を整える

赤い半纏が、案外重宝していた。膝には毛布を掛け、寒さをしのぐ。箱から顔を出しているティッシュが勢いよく揺れていた。冷え切った部屋を暖めるために、エアコンがフル稼働していた。 とにかくこの部屋は寒い。 自室に居る時間が多くなった。ベットを椅子…

新年のご挨拶

彼の名を何度も呼んだ。姿を現さない彼を心配した。部屋をぐるりと歩いても、彼の姿はなかった。私が訪ねていくと、必ず出迎えてくれる彼が、今日は居ない。 私が彼を探す様子を、彼は上から見下ろしていた。ようやく、彼がキャットタワーの上に居ることに気…

東京の空

あいにくの天気だった。正月休みも、普段と変わらず、洗濯機を回していた。 娘とウォーキングに出た午前中は、よく晴れていた。しかし、午後には雨がパラリとした。”今日は乾かないな”と呟きながら、夜にコインランドリ―へ行こうかなと考えていた。 娘も帰省…