父は退院した。
退院が決まったと病院から連絡があった翌日、主治医の寛大な配慮により一度決まった退院を取り下げてもらった、はずだった。
二度目の退院の連絡を受けたとき、私は樹希ちゃんちに居た。
電話を受けたり掛け直したりと、再度退院を取り下げてもらうも、私の説得もむなしく、その日の内に自宅へ戻ることになった。
前回も今回も、友達と過ごしている時間になぜこんな騒動を起こすのだろう。
父、病院、Kさん、ケアマネージャーとのやり取りに、連日時間を費やした。
父に関わることばかりで七月は終わった。八月に入っている予定を口に出してみた。いくつかあるが、何か足りないような気がしてならない。
いつもなら、買ってすぐに読み始める推理小説もそのままになっていた。レシートや書類も溜まっていた。いろいろ調べたいこともあった。
あっ、家族面接の日だ。忘れていた予定を思い出した。
父の入院中、一ヶ月に一度実施されるという。私はリモートで参加することになっていた。もうその予定はなくなった。退院時も入院時と同様、家族の同行を求められていたが、当然こちらの予定もなくなった。