武器を手に入れた

電話の向こう側で、夫が慌てていた。
急に”現金”が必要だと言う。家に訪ねてきた人物に対応しているようで、外出している私に、お金の在処を聞いてきた。

慌てるのも無理はない。まだまだ先だと思っていた代引きの宅配物が急に届いたのだ。
なんの知らせもなしにと、ぼやいた私だったが、数日後、夫が発送メールを見逃していたことが発覚した。

修理に出していたノートパソコンが戻ってきた。
一部キーボードが効かなくなっていた。外付けのキーボードを購入した方が安価で済むという見解は、夫も、修理受付センターの担当者も同じ意見だった。それ故、このパソコンをどうするか、どこで誰がどのような用途で使うかは、二転三転した。結果、修理代を掛けて、ノートパソコン単体で使えるように復活させ、私のものになった。

しかし、たまたま現金が家にあったものだ。再配達にならず、ほっとする。

 

 

今まで使っていた息子から譲ってもらったデスクトップのパソコンから、この度、娘から譲ってもらったノートパソコンへとデータを移行するため、一旦外付けハードディスクに保存する。デスクトップの画面一杯に並べられたファイルが次々と削除されていく。

これを機に整理をすれば良いのに、とりあえず移動だけしている。モノの整理より、ファイルの整理の方が苦手かもしれない。なぜかフォルダの中身が消えているものがいくつかあった。どこを探してもない。そのうちの一つは、スキャンした書類のデータで、スキャンしたからこそ安心して紙を捨てたのにと困惑したが、中身を思い出せない。つまり、まぁいいかで済ませられる程度のことなのだろう。

デスクトップのパソコンは夫が使うと言うので、データの移行をしていたのだが、現時点では手放せないと気付く。ワードとエクセルがノートパソコンに入っていない。
こちらの行方も、二転三転どうなるか分からない。

 

まだ使い慣れていないが、ノートパソコンを手にして、満足している私である。