不意打ち

部屋で寝ている私に、会社に出勤しようとしている夫が、声を掛けた。
寝ぼけた様子で見送った私は、寝過ごしたことを認識するのに、間があった。

 

授業の内容や進み具合から、今週は、特段時間に追われるようなことはない、はずだった。
予め説明会でも聞いていたとおり、少し触れる程度の単元は、授業時間が十分に組み込まれていない。新しい単元が始まったばかりのところに、途中で割り込んできた単元は、小休憩のつもりで、寧ろ安心していたのだ。

どんなソフトを使ってもいいというが、自由さのなかに不自由さがあった。結果、家のパソコンに入っている、しかも数えるほどしか使ってないソフトを選択した私は、制作に時間を割くことになり、寝不足だった。

 

疲れた体に、笑い声が浸透する。
披露されたクラスメイトの作品は面白く、短時間で仕上げたとは思えない作品には、感嘆の声が漏れた。

 

笑いの余韻を残したまま、教室を後にした。
もう雨は、小降りになっていた。今朝、びしょびしょに濡れたズボンは乾かぬまま、家路に着く。