寒さに負けず

ポケットに手を入れた。
天気予報では、暖かいと言っていたが、風が冷たかった。

「ゆめちゃん、ダウン持ってなかった?」と遥子ちゃんが聞くのも、私が着ている上着が、薄手だったからだ。長年着ていたダウンは、この冬が来る前に処分した。着る時期が来たら購入すればよいと思って、結局買わずじまいだ。

ダウンもなければ、ウォーキングに適した、寒さ対策ができるスポーツウェアも持っていなかった。

持ち物は、中途半端だった。目的がはっきりしたものを購入するか、応用が利くものを購入するか、どちらも活躍しそうだが、どちらにも当てはまらない、なんかしっくりこないものが多かった。

 

 

寒さは、どうもやる気を妨げる。やる気は待っていても出てくるものではないと承知で、行動に伴ってやる気が出るというが、その行動になかなか移せない。
体力が段々なくなってきている体は、”気”だけでしか乗り切ることができず、”気”すなわちモチベーションを保つ、強い効力のある”何か”が、必要なのだが、その具体性に欠ける。

しっくりこないものに囲まれて、”とりあえず”でずっと過ごすつもりなのかと、自分に問うてみる。答えはノーだが、行動に移せるほどの効力がない。こたつの温もりに負けてしまう。

 

暖かくなるまでは待てない。寧ろ、暖かくなる前に、不要な”もの”と決別したい。
効力のある確固たる”何か”を考える。より具体的に、詳細に。