想い

携帯電話のアラーム音に胸がチクりとする。
平日の7時5分にセットしていたアラームを停止した。明日以降、鳴らないように削除した。

 

「今日は眠そうだね」と言われ、その通りだった。
昨晩はなかなか寝付けなかった。
課題に追われて、ここのところ睡眠不足だった。気が張っていた体は、課題の提出を終えて、ほっとしていた。と同時に、睡眠を欲しているはずたった。

 

ふと宇稀子のことが頭によぎった。
私の思いは独りよがりで、彼女は私を必要としていなかった。それを知った直後は、寝付けずに、宇稀子のことばかり考えていた。あれから、なるべく私の存在がチラつかないようにしている。そのため、宇稀子と同居する母に、電話する機会がぐっと減ってしまった。今年、まだ母の声を聞いていない。

 

終止符が打たれた。
先生から学ぶことも、お弁当を作ることも、水筒にお茶を入れることも、電車に乗って通うことも、クラスの一員であることも、時折、お菓子を持参することも、そして、その他にも。

私は未熟だった。学びにしても、人としても。
”終わり”から学ぶことは多い。
また胸がチクりとした。

席替えを何度かしているうちの、ある席の時、毎日のように、机にお菓子やらパンやら並べていた。どうぞと勧めたら、喜んで食べてくれるクラスメイトの微笑ましい姿が思い出す。