デトックス

外は、少しひんやりした。上着を羽織って正解だった。二駅向こうまで行くのに、自転車に乗る方が、寒さを感じるのも半分で済みそうだが、のんびり歩くことを選んだ。

前を歩く男の子は、小学校の低学年と思われた。「ママ」と声に出すが、ママらしき人はいない。ママは電話口の向こうに居た。どうやら男の子を心配しているようだった。
そろばん塾の鞄を背負った男の子は、お友達の名前を出して、帰りが遅くなったことを伝えている。

しばらく歩くと、さっきの男の子より少し大きい女の子が、駆け足で通り過ぎた。まだ17時のチャイムが鳴るには少し時間があったが、この子も家路を急いでいるのだろうか。女の子もまた、電話口に向かって誰かと話している。

小さな公園には、同じ帽子を被った、さっきの男の子や女の子より、ずっと小さな子達で賑わっていた。エプロンをした大人達と一緒に遊んでいる。
お父さんやお母さんが迎えに来るのは、何時なのだろう。

 

 

「時代」は変わっていく。
子供時代はね、と語るだけでは語りきれず、今の時代もまた、十年後、二十年後には、その時代はね、と「世の中の変化」を語ることができるほど、目まぐるしく変わるのだろうなと想像する。

 

『なんか言いたげやな、ゆめ子さん』

「ねぇ、みぃ。私にとって、深刻な悩みだったんだよ」

『せやな』

 

片付け本を何冊読んだのだろう。本より数倍高い、片付けのノウハウをネットで入手したことがあるほど、私がかなり重症だったことを伺わせる。
つい最近まで、妄想する片付けプログラムが実際にあったら、参加したいと真剣に考えていたほどだ。

片付けは終わっていない。まだ私にまとわりついているが、当時ほど「深刻な悩み」ではなくなってきている。

ただ当時の思いを、みぃに、吐き出しておきたい。

 

「家族のあり方や役割も、当時の考えより変わりつつあるのだろうけど、
もっと変わっていくんだろうね」

『せやな。けど、「主婦とは」に悩まされてるよな、ゆめ子さん
まだ言いたいこと、あるんやろ?』

「うん、そうだね」

 

続きはまた、今度語ろう。