旅の記録 ー続きー

先週会ったばかりの母から電話があった。
ちょうどこちらからも、連絡しようとしていた。都合の良い、曜日だったからだ。
あちらは雨がひどく降っているという。こちらも結構降っていると答えたが、まだそうでもなかったことが、後から分かる。その後、西から東へと雨雲が移動し、雨は先程よりも、はるかに激しく音を立てていた。

旅を終えて自宅に戻ってから、無事に帰ったとの連絡をしそびれていた。
同居する小さな甥っ子がラインに気付くと都合が悪いので、タイミングを見計らっていたら、その機会を失った。

母に会ったのは、まだ旅の途中だった。その続きを記しておく。

 

 

大阪駅から少し離れた場所のホテルに滞在していた。最寄駅からも少し遠い。
温泉付きのうえ、何より安く泊まれるので、ここにした。
ホテルの前から大阪駅までバスが出てると知って、なおここが気に入った。窓を開けても、ビルの壁が見えるだけだが、今回の旅の目的には十分だ。

方向音痴で道に迷うので、早めにホテルを出た。
思いのほか、待ち合わせのビルまでスムーズに辿り着き、ビル内をうろうろする。

なにげに目が合った人物に、歓喜の声を上げる。
久しぶりに会う旧友と、ついついここで立ち話を続けそうになったが、外に出てからゆっくり話すことにした。まさか、トイレで会うとは思わなかった。

私達が一番のようだ。旧友との再会は何年振りなのだろうか。
私は一つ手がかりを持っていた。前回会ったときに、パートの話をした記憶がある。つまり、パートを始めた年より、あとに会っているということになる。
やってくる友達にいちいち尋ねてみた。そのうちの一人が、よく覚えているという。娘さんのコンクールを観た足で来たと言った。そう、そうだった。
私達は九年ぶりの再会だった。

六人全員が揃ったところで、ランチの場所へ向かう。その後はカフェへと移動し、私達はずっとしゃべりっぱなしだった。
六人のうち私を含めた二人は関東住まいなので、次回は関東で会おうと誘って、楽しい時間を終わりにした。


翌日、娘と少し大阪を観光した。よく考えてみたら、有名なこの場所も来たことがなかった。今度ゆっくり来てみようという気になった。
時間を空けずに、たこ焼きを二度食べて、大阪を堪能して隣県へと移動した。
最後に義実家に一泊だけして、忙しなく東京へ戻った。