しゅうかつ

ダイレクトメールばかりの受信箱をチェックしていると、見覚えのある差出人から”要返信”と記載されたメールが届いていた。
事前に聞いていた報告日が近づいていたので、そのメールの内容については、ここのところ気にしていた。

期待に応えられるような過去形の報告はなく、”○○予定”と未来形で返答する。
返信内容が、芳しくなかったせいか、再度送られてきたメールには、丁寧な文面の中に、活動が少ないようですとの文言が記載されていた。

 

職業訓練校へのメール報告が終わった直後、今度はあちらに行く予定が入っていた。約束の日は時間も指定されていたのだが、前日になってキャンセルをした。
訓練修了後は、ハローワークの担当者に、”いつでも”いらして下さいと言われていた。それは、相談事がなければ”いつまでも”行かなくて良いと捉えていたが、そうではないらしい。

憂鬱さからではあるが、腹痛も少しあり、あながち体調不良も嘘でもない。それを理由にキャンセルしたものの、どのみち行くのならと、先延ばしせずに二日後には出向いていった。

ハローワークを出ると、知らない女性に声を掛けられた。その瞬間、友達が言っていたことはこのことかと、女性の正体が誰だか分かった。保険会社の人が、私を勧誘しているのである。それは、保険の商品ではなく、仕事を探していないかという内容だった。年齢的に声を掛けられる対象なのだろうと想像した。

 

すぐにその場を去るつもりが、女性と別れた場所で、足止めされた。工事のためにまっすぐ進めず、あちらの道へ行くため信号を渡らなければならない。
後ろから、「ボタンを押さないと信号変わらないわよ」と声を掛けられた。
「ありがとうございます」と言ったあと、ボタンを探すのにキョロキョロした。が、その瞬間、信号が青に変わった。
せっかく教えてくれたボタンを押さなかったので、「青になったので」と声を掛けると、「ボタンを押しておいてあげたの」と言われた。

私のために押してくれていたのは明らかだ。なぜなら、彼はこの信号を渡らない。
「ありがとうございます」と、ボタンを押してくれた、がたいのよい工事の警備員さんにお礼を言って、駅へ向かった。

 

 

もう一つの、”しゅうかつ”も課題である。
この頃、片付け動画で、”8割捨てる”という言葉がやたらと目に入る。実践すると人生が変わるという。少しずつ処分はしているが、確かに景色も環境もなにも変わらない。

まずは引き出しからと、文房具の分別を始めるも、どうしてもどれも使うのではないかと、捨てるのを躊躇する。
後々、誰かが今ある大量のモノを片付けるような負担になることはしたくない。だが、頭で考えていることと、手を動かさせずにいることで、どうにも矛盾が生じている。

何事も覚悟を持って、動く必要がある。
遅ればせながら、今年の活動のための気合いを入れる。