再開せよ

リュックを下ろし、うがいと手洗いを済ませたら、すぐさまベッドに潜り込んだ。
携帯電話のアラームを一時間後にセットし、仮眠をする。

途中で雨音が聞こえ、洗濯物が気になったが、体を起こすことはしなかった。

長い制作期間を終えた。
帰ったら寝る、そう決めて訓練校を出た。

三十年ぶりに学生となって、使っていなかった脳は、フル回転している。
しかし、三ヶ月で詰め込まれたことが、形に出来ることに達成感がある。と同時に、仕上がりはまだまだだと痛感させられる。

折り返し地点となった。「制作」は、個人とグループを含め、あと三つだ。

 

三ヶ月後の終了時には、年が明けている。
その前に、私の嫌いな年末がやって来る。”やらなければならない”が襲ってくる、あの感じ。片付けや掃除に触れて、毎年、同じ事を言う自分のことも嫌だった。

 

「片付け」が、今、止まっている。
インスタの投稿をスクロールすると、猫背や肩こりの改善、お腹痩せの「体操」の動画ばかりだ。その中に時々、「片付け講座」の広告が流れてくる。つい「詳しくはこちら」を覗いてみたりする。覗いたところで、講座を受ける気はないのだが。

一日のリズムの中で、どうにか片付けの時間も確保したい。
いつだったかの朝活宣言も口だけで続かない。

訓練校を卒業したあと、「やりたいことがあるんだよね?」と自分に言い聞かせる。
そう、訓練校で受講している勉強内容を、もっと続けたいし、活かしたいのだ。

だったら、”片付けなければならない”は邪魔である。

ちょうど、季節の変わり目だ。衣類の片付けから始めよう。