整える

マンションから出たところで、忘れ物を思い出した。
しかし引き返すには時間がない。電車に乗り遅れるわけにはいかず、そのまま駅へと向かった。

今日は”遅れ”がないようだ。毎朝電車に乗るようになって、まだ日は浅い。しかし、電車の遅れに度々遭遇し、その頻度に驚いていた。

 

職業訓練校に通い始めて、三週間が経過した。
この期間に、三度も教室の前に立って発表した。他には、面談があり、テストがありと、それらを否応なくこなす。ちょうど一つの単元が終わるころ、疲れがどっと出た。

一休みをしたいところだが、また明日の朝も電車に揺られている。

生活リズムの変化に慣れるには、というより、まだ定まっていないリズムが整うには、もう少し時間がかかりそうだ。

朝の時間は、洗濯を干すのが精一杯で、部屋を整えるまでには至らない。

 

帰宅後、ダイニングに入ったところで、朝の忘れ物が目に入った。
今朝、出し損ねたゴミ袋だった。