朝の時間

気のせいではなかったようだ。
ゆっくりと、うっすらと反応を示す。

夫に続いて、私にもそれらしき症状が出たが、幸い熱はなかった。
軽症を示すかのように、検査キットの反応も鈍かった。

療養期間が明け、日常が戻る。
改めて、どこから片付けようか考える。

頭の中は、常に片付けのことばかりだ。なぜか片付けを終わらせてから、家中丸ごと大掃除をしようなどと計画する。
片付けよりも、むしろ掃除を優先させるべきではないか。
「もの」で雑然としているだけではない。どこもかしこも、汚れが蓄積している。

 

一番億劫な水回りを、毎日少しずつ掃除をすると決めた時期があった。しかし、お風呂の鏡ばかり磨いて、ちょっと手のかかりそうなところは、なかなか進まない。結局継続できなかった。

小さな範囲でとか、一箇所が終わるまでとか、明らかなゴミからとか、頭では分かっている。何を試しても、終わらない。

片付けも掃除も一回やれば終わるわけではないが、マイナスではなくゼロの位置にまず立ちたい。

 

『ゆめ子さん、取り掛かるまでに、時間かかるからなー』

「そうなんだよね」

 

片付けか掃除かなんて考えず、目についたところから取り掛かろうか。
いや、目につくところがありすぎて、どこから手をつけていいか混乱する。

 

朝の家事は、お昼を目途に終わらせる。そんな悠長に時間を使っている場合ではないなと気付く。

『朝の家事、すっ飛ばしてもええんちゃう?』

 

そうかもしれない。時間の使い方もまた下手だ。
明日、朝から取り掛かることを一つ、今日のうちに決めることにした。