束の間の休暇

角を曲がると、ビルのてっぺんに差し掛かろうとする太陽と向き合った。眩しくて、しかめっ面になる。

家事を終え、日用品の買い出しから戻ったら、もうこんな時間だった。いつもなら、五限目の最後の授業が終わる頃だ。

今日から休みに入った。
勉強や課題に時間を充てるつもりだが、初日から通常の家事だけで時間が過ぎてしまう。休みの間、家事をしないと宣言したものの、全くしないというわけにもいかない。

 

課題の制作にいつも追われている。息つく暇もなく、次の課題が始まる、ということをここのところ繰り返していた。いつもは夏の帰省だけだが、夫が年末の帰省も提案した。当初は余裕があればと返事をしたが、課題が立て続けに出ることを知って、すぐさま撤回した。そもそも、訓練校の休みが短いうえ、作業の遅い私は、授業時間外で調整しないと、間に合わない。子供達も予定が合わず、結果、夫だけが帰省した。

 

夫が不在のうえ、一人暮らしをする娘もいない。
それ故、いつもの年末のような、大量の食材の買い出しもしない。いろいろな事をやり残し、バタバタしてイライラしているいつもの年末とは違った。

やり残していることは、あるにはあるが、優先順位をつけて、できる事からやるしかない。明日は朝からパソコンに向かった方が、良さそうだ。

『今年をゆっくり振り返らへんの?』

心の中の”みぃ”が問いかける。どんな年だったか、来年はどんな年にしようか、みぃと語り合うつもりだった。

「また、今度ね」

 

いろいろな事があった、一年だった。