猫の手も借りたい

ラインの最後に猫の写真が送られてきた。
飼い主は”癒し”と言っていた。なんとも可愛らしい。

最近猫を飼い始めたという彼女からラインが来た。彼女の用件は、さすがに私の”呼び出し”ではなかった。寧ろ、私を呼び出さなくとも、今は人が増えているという朗報が聞けた。

以前一緒に仕事をしていた彼女のヘルプ要請に応じたのは、後にも先にも、昨年のあの時だけだ。辞めたパートに、ましてや断るであろう私に連絡をしてきたのだから、余程手が回らぬほど、忙しかったのだ。

 

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”友達と約束していなくて良かった” ”あまり先の予定は入れられないね”
クラスメイトとそう話すのは、もう明日が課題の締切日だったからだ。授業時間内には到底終わらず、持ち帰りとなる。

授業がある程度進むと課題を出されるが、そのタイミングは分からない。だいたい1~3日後には、締切日が来る。
約束した日が今日でなくて良かった、そう思ったのは言うまでもない。

 

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二人は、約束の時間に店に着いていて私を待っていた。
私もまた、約束の時間に駅に着いていて、二人を待っていた。
お店?駅?と言いながら、二人に合流する。

逢衣子さんと優羽美さんと約束した日は、今週の初めだった。
私達は同じ職場で働いていた。
今日ラインをくれた猫を飼い始めた彼女も、もちろん逢衣子さんと優羽美さんのことを知っている。彼女は、今も働いている。

思い出したことがある。もう随分前、逢衣子さんとのラインのやり取りで、彼女はどうしてるだろうねと話したことがあった。その翌日、樹希ちゃんと一緒にいたところ、職場の近くで彼女に偶然会ったことがあった。

 

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彼女からの用件は、食事制限のある人のお弁当を作ってくれる人を探しているとのことだった。お料理好きの樹希ちゃんが思い浮かんだようで、私に尋ねてきた。

 

近況を報告し、ラインを終えると、歯医者へ向かった。
今日は、歯医者へ行く時間も惜しいくらいだ。

 

せめて、みぃの手でも借りられたらと思いつつ、一人で課題をやっていく。