休養

携帯電話で時間を確認する。ここへ来てからすでに二時間半が経過していた。ようやく家に帰ることができる。
ここに向かっている時点で、すでに帰りのシミュレーションをしていた。帰り道にある二軒のパン屋のうち、どちらのパン屋に寄るかを決め、その後、惣菜屋を回る。
せっかくここまで出てきたけれど、はなからウィンドーショッピングはする気はなかった。
ここへ来るのがとても億劫で、とにかく早く帰りたかった。片付いていないとはいえ、我が家は我が家だ。帰ったらこたつでパンを食べながら、ゆっくり寛ぐことに決めていた。
昨年、何度か訪れたここも、あと数回通えば終わる。

 

思ったより、時間がかかった。検査のために訪れた大きな病院で、上の階と下の階を行ったり来たりする度、呼ばれるまで待合室で待機する。
少し先だと思っていた月のものがやって来て、朝から腹痛に襲われていた。ウィンドーショッピングで、病院を訪れた憂鬱な気持ちを上書きする元気はなかった。

病院の予約は午後からで、午前中は空いていた。いろいろやることを決めていたが、腹痛のせいで一切何もできなかった。

 

動いた分だけ片付くと、言い聞かせたばかりだ。いつもなら、なにもできなかった自分に落胆する。

 

今日は、そう仕方がない。ゆっくりと過ごす。