再会

パソコン画面のカーソルは行ったり来たりしている。感情を書き記そうとするも、上手く表現できない。自分の行動に「意味があった」のか、「意味を持たせようとしている」のかを考えていた。

        ***

何かの拍子に、携帯電話のカメラアプリが起動する。カメラ越しにみる部屋の様子は、肉眼でみるより、何倍も散らかっていた。
棚に収まった本の背表紙は、ほとんどがこちらを向いているのに、そうでないものが雑然さを演出する。衣装ケースは部屋の角に収まっているのに、引き出しの正面は透明で、中身のごちゃつきが丸見えになっていた。胸の高さぐらいの食器棚の上には、郵便物が溜まっていた。「とりあえず」置かれた「もの」は、そのままそこに定着した。

三ヶ月と期限を決めたし、気温が下がり過ごしやすくなったし、「片付け」をするきっかけは十分揃っていた。確かにそうではあったが、また何か違う妙な自信が湧いていた。

        ***

自分の行動に驚いた。二度と足を踏み入れるはずのない場所に自ら向かったからだ。
懐かしい顔ぶれは私に驚き、同時に歓迎した。しかし確かなことは、ここは私の居場所ではないということ。「とりあえず」に過ぎなかった。
自分の行動で抱いた感情が、結局は翌日になっても整理されないまま、意味を見出そうとしても上手く答えが見つからなかった。ただ頭をフル回転させて「考えた」ことは事実だ。
「私の居場所」は私が決める。そこに向かう途中に「片付け」がある。「私の居場所」に必ず「私」がいるという確信が、「片付け」を乗り越えられるのだという妙な自信に繋がっているのかもしれない。