寛ぎ

目的地に着く前から、「コーヒー牛乳」と決めていた。

娘に誘われ、家を出た時刻は、もう夜の9時を回っていた。片道ニ十分ほどの距離を歩く。昔からあるこの場所に、初めて訪れた。娘もまた、先月初めて訪れたのだが、ここを気に入ったようだ。中へ入ると結構人がいる。しかし、この前よりは空いていると娘は言う。

準備を終えて娘がサッサと向かう先は、とても私は入ることはできない。娘と別行動をする。
真っ黒な水面は、当然ながら底が見えない。深さは想像がつくのに、なんとも怖いものだ。恐る恐る足を入れる。家ではカラスの行水の私も、ここではゆっくり浸かる。その間、サウナにずっと居た娘に感心する。

瓶に入ったコーヒー牛乳を飲むのは忘れない。行きと同様、娘とおしゃべりを弾ませ、帰路につく。

 


お風呂の横に設置していたラックを撤去した。ラックの足が、半分は洗濯機の防水パンの上に乗っかり、半分は底上げのために置いたレンガに乗っかり、ちょっとずれると不安定になる。その不満が解消され、すっきりした空間を手に入れる。しかしそれと引き換えに、バスタオルの収納場所を失った。

お風呂に入る前に、洋室の端に重ねたバスタオルを持って行く。置く場所が決まらず、とりあえずが定着する。視界に入るバスタオルは、確かにどれも使い古し感が否めない。夫が見かねて、バスタオルを一掃しようという。これを機に、各々使いやすいサイズ、好きな色を選ぶことにした。しかし、アマゾンの「おすすめタオル」は、豊富な色を展開しているにもかかわらず、選んだ色はことごとく売り切れだった。

数週間経った今も、まだバスタオルの収納場所は決まらない。新しいバスタオルも買いそびれている。


解決せぬまま、銭湯の湯に浸かる。真っ黒な湯が肌に浸透する。