曇りのち

湿気を含んだ、生ぬるい風が部屋を通り抜ける。雲の隙間から、時々太陽が顔を覗かせる空は、今晩雨を降らせるようだ。
まだ乾ききっていない昨日の洗濯物が、鴨居いっぱいに掛かっている。今日の天気も、乾きは良くなさそうだと判断して、洗濯はやめておいた。時々明るくなる空が、洗濯しておけば良かったんじゃない?って語り掛けてくる。

一つ家事が減った分、時間もできる。今日は外出予定もない。片付け日和だったはずだが、気が付くともう夕方になっていた。
天気予報より早く雨が降りだしていた。洗濯しなかったことが、正しい判断だったと言わんばかりに、もうこれ以上ハンガーを掛けることができない鴨居を眺める。と同時に、今日片付けをしなかった自分への罪悪感も上書きする。

 

いつも「片付け」の事ばかり考えるのが嫌なのに、まだ片付けは終わらない。常に宿題を抱えている状態で、「しなければならない」と支配される。
どうするかは少し見えてきている。しかし、なかなか立ちはだかる壁を越えられない。

どこもかしこも散らかっているのだから、時間がかかるのは当たり前だ。けれど、今日のように何もしない日があれば、片付けが終わる日はまた延びてしまう。

片付け本は、綺麗になった部屋を想像しましょう、という。確かに、部屋の状態の目標はそれである。しかし、手を動かす前に気持ちが邪魔をする。

もう一度確かめる。ごちゃついている現状は、嫌なのか、そうではないのか。
やはり、嫌である。

 

今日の天気は曇りのち雨。私の心は曇りのち晴れにしたい。