外からも 内からも

さっき入れたばかりの紅茶は、飲み切らないうちに、もう冷めてしまっていた。残りを飲み干すと、体がきゅっとする。まだ午前中だというのに、夕食は体が温まる鍋にしようと決めた。
キーボードを打つ指が止まってしまう。再度、温かい飲みものを手に入れるには、もう一度やかんを火にかける必要があるが、ここから動けない。こんなにも行動に制限をかけられるとは、これから先が思いやられる。「寒さ」は動きも思考も停止させる。

 

意識しているのは、外から「もの」を入れないこと、内から「もの」を出すこと。外出先で、ユニクロ無印良品、百円ショップに行くコースは定番で、何かしら購入してしまう。最近は、なるべく見るだけに留めている。しかし、こうも寒いと、今ある上着だけでこの冬を越せるか不安になる。去年まで着ていたダウンコートを、冬が来る前に処分した。新しくダウンコートをお迎えするつもりだったが、洋服の整理も終わっていない。来年も再来年も着るであろう、かさばる「もの」を簡単に外から入れることに躊躇する。

こちらが意識して「もの」を入れないようにしているのに、いとも簡単に入ってくるものがある。ポストに届く郵便物は、厄介だった。あきらかにいらないチラシは、紙袋に貯めて捨てる。しかし、置き場所が決まっていない。新しいプランの保険の案内や、暮らしの情報が掲載された冊子は、一旦本棚の隙間に置く。目を通してから捨てるつもりが、溢れるまでためて結局は見ない。重要な書類も、本当に必要なのは、A4の紙一枚分ぐらいで、同封してある案内は必要がない。それでもやはり、分別せずに封筒ごと保管する。

内から、つまり家から「もの」を出すことも本当にスローペースだった。来週から一週間ごとに一箇所ずつ片付けることになっている。少しはスピードアップするだろうか。内から出すのか否か、ひたすら「もの」に問いかける。