朝と夜のあいだ

そもそも食べ過ぎなのだ。自分に問うべきである。

時刻は11時になっていた。観音開きの冷蔵庫の右側の扉を先に開ける。真ん中に置いたタッパーの中身をみるには、結局は左側の扉も開けることになる。昨日の残り物を確かめた。昼食の準備を始めるのはもう少しあとで良い。かといって、青いノートに書かれた「やることリスト」に時間を充てるには中途半端だった。

三人分の量のうどんを茹でる。

子供達がお弁当を持って通学していた時期はとうに過ぎた。その後の昼食は、麺か炒飯を用意することが多い。夕食の残り物、冷食、買ってきた惣菜、これらも日常的である。彼らは外出先で済ませてくることもあれば、ファーストフードでテイクアウトすることもある。今もそうである。夕食後にアルバイトに行く息子、在宅か外出かまちまちな娘。
私が空腹を感じて軽く朝食を済ませる時間は不規則である。それでもお昼どきになったら昼食を食べる。タッパーに詰めた残り物は夕食で食べることにし、うどんを食べた。
本当に今、お腹が空いているのだろうか?お腹がぐぅと鳴ってから食べた方が食べ過ぎを防げる気がした。

「自分のお腹に問うて食べる」を実践するなら、「お昼の時刻が近づくと昼食のことを考える」が億劫になってしまう。どの形の昼食でも「母」は楽にもかかわらずだ。理由は自分がよく知っている。

うどんを茹でた鍋、水を切ったざる、市販のつゆを温めた鍋、ちくわを揚げたフライパン、てんぷら粉を作ったボウル。菜箸。食べ終わったあとのどんぶり鉢にコップに箸。
シンクのなかのどんぶり鉢は八分目まで水が張っていた。
エプロンをしてキッチンに立つ。目の前のやるべきことは「やることリスト」には書かれてはいない。

時刻は17時を回る。5分10分と針が進むのをプレッシャーに感じながら重い腰を上げる。夕食の買い物にスーパーへ行く。

無我夢中に、一心不乱に、一生懸命に、我武者羅にただ私は家の片付けをしたいだけである。三ヶ月も家族が留守になることもなければ、日常一人になることもない。

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「ねぇ、みぃ、合間の時間にやることリストをするんだけど、思うように進まないね。相変わらずやることがいっぱいあるんだけど」

『ゆめ子さん、最近、全くなんもせん日はなくなってるんちゃう?前より少し進んでると思うで』

「昼間、睡魔が襲ってくることがあるんだけど、前みたいにがっつり寝てしまうことはなくなった。それ関係あるかも」