空の下で

歩くたびに、ぴょんぴょんと揺れている。毛先が跳ねているのが、影でも分かる。

揺れる影と駅に向かった私が、雲一つない空に気付いたのは、電車に乗ってからだった。遅れているとアナウンスされた電車は、混んでいた。ドア付近から、それ以上奥に進むことはできず、ずっと窓から外を眺めていた。
青い空は、しばらくすると消え去った。電車は地下へと潜っていく。

改札を出るとき、二回目の洗濯を干したか気になった。いや、干したなと思い直した。地上へ出ると、雲一つない空に再会した。

 

 

要領の悪さが、よく分かる。忙しくさせてるのは、紛れもなく私自身だ。
足りない時間をどう作るかを考える。何かをするのにかかってる時間を短くする、もしくは、何かをやらないでおく。
まとわりつくものを取っ払いたい、そしてやりたいことに時間を費やしたい。

時間が掛かっても、”片付け”を私のやり方で、一度向き合わないと次に進めない。
その時間がなくて、ほったらかしている。けれど、気になって仕方ない。

日々の時間の見直しだけでは、向き合う時間を十分に確保するのは、ほど遠い。
私はどうしたいのか。

 

 

ビルに到着した私は、青い空とお別れだ。
目的地は決めず、気の向くまま、空の下を歩く朝。その日のために、今、できることをする。