マイウェイ

落ち葉がカラカラと音を立てながら、強風に煽られ、桜の花びらと一緒に地面を這う。
しばらく歩くと、青々とした葉の間から、桜と同じ色のツツジの蕾を見つけて、季節を感じる。

四季が何度も巡り、花は咲いては散るを繰り返す。私が共有している時間は、そのごく一部にしか過ぎない。

 

 

「自由に使っていいよ」と言われた四畳半ほどの小さな部屋は、まだ残された荷物はあるものの、私には十分だった。この部屋の住人が居なくなってから、しばらくひっそりしていたが、最近、ここへ寝床を移した。「私の部屋」を楽しむべく、いろいろ思いを巡らせていたが、実現は少し先になりそうだ。

ここのところ、この部屋に、毎日のように別の部屋から荷物が運び込まれている。「私の部屋」の完成を目指してのことではない。

リバウンドを繰り返す「私の片付け方法」は、確かに何かが足りない。それは、柔軟さや、想像力や、意識だったりするが、自分が納得しないと進められないが故、その足りないものでさえ、身に付けるのに時間がかかる。

片付けをしていると、途中、片付け始めよりもひどく散らかる。結局、一軍も二軍も三軍も同じ場所に戻される。そうやって繰り返してきたが、途中経過で散らかったものや、二軍三軍を、今は「私の部屋」へ運んでいる。
一旦、家族の目に触れない場所へ移動させることで、片付けがしやすくなった。


風は続き、夜になるとさらにひどくなった。
桜の木も、ツツジも、強風に耐えている。ただ自然に身を任せている。
私には、幾度巡るか分からないけれど、残りは片付けではなく、花を楽しむ四季でありたい。

 

小さな部屋は、どの部屋よりも風の音がよく聞こえる。
嵐の夜も、荷物に囲まれて、眠りにつく。