クラスメイト

テーブルには、マグカップが一つ、グラスが三つ置かれていた。

 

ちょうどおやつを食べるのに、相応しい時刻だった。いつもなら、デザートも注文するところだ。しかし今日は控えておく。昼食も、少なめに調整しておいた。

 

コートを着る季節になった。
マグカップに注がれたホットコーヒーを手に、先に席に着いた。あとから続く三人は、氷の入ったグラスを手にしていた。

 

もう一人、相変わらず忙しい彼女は、まだこちらに来られないようだ。今日の日を迎えるにあたって、私が約束を取り付けてくれないのではと、彼女は半信半疑だった。

コーヒーを飲み終えたあと、ラインの通知音が鳴った。彼女が近くの駅に着いたようだ。しばらくして、私は表に出た。こちらに向かって来る娘をすぐに発見した。最後に合流した娘が到着する頃、次の目的地へ行くのにちょうど良い時間だった。

開店時間と同時に入った店は、夕飯にはまだ早かった。しかし、お腹はすでに空いていた。

 

どうみても私達は、母と娘、娘の友達に見えた。しかし、正確にいうなら、それは違った。私と娘、二十代の彼女達は、私のクラスメイトだ。

 

隣に座る娘と、向かい側に座った彼女達のことは、私だけが互いを知っていた。何の違和感もなかったが、娘と彼女達は初対面だった。

 

 

訓練校のクラスメイトに会いたいという娘に、心良く返事をしてくれた彼女達のおかげだ。

またテーブルを囲んで集える日を、想像する。一番楽しみにしているのは、案外私なのかも知れない。