花朝月夕

心地よい風に当たると、なんだかホッとする。
一日に一度は、部屋の空気を入れ替える。時には湿った空気が入ったり、かえって部屋の暑さが増したりするが、涼しい風が通ると、堂々と窓を開けられる。

昼間はまだ暑いが、朝夕過ごしやすくなった。
”そろそろ遥子ちゃんに連絡しないとな”

彼女には大概、私の都合に合わせてもらっている。今回もそうだ。
ウォーキングの再開を”気長に待つよ”と言ってくれている彼女に、なお、こちらの都合で、時間帯の変更もお願いすることになる。

先月まだ暑いさなか、久しぶりに会ったときは、ウォーキングをせずカフェでお茶をした。それもまた、急な連絡をしたこちらの都合だ。

 

遥子ちゃんとウォーキングしていると、よく我が家の隣に住む紳士に会った。彼は今も変わらず毎日ウォーキングを続けているのだろう。彼の暮らしぶりを勝手に想像する。

「春と秋の最も気候のよい時期のこと。またその季節の景色や風物を楽しみめでること。」の意味を持つ四字熟語を見つけた。

学研 四字熟語辞典"goo辞書”.goo.https://dictionary.goo.ne.jp/,(2023/09/19参照)


花も月も愛おしく眺める彼のようだと思った。最も彼は、春や秋に限ったことではないだろうけれど。

 

 

スーパームーンのように、ニュースで話題になるような月の日も、知らぬうちに過ぎていた。この頃、国内では様々なスポーツで盛り上がっているというのに、にわかファンにさえならずに、なんだか見過ごしている。

 

目まぐるしさに流されず、踏ん張ろうとするも、日々過ぎていく。
小さな心の余裕を見つけることさえ、忘れている。