語らう

月がきれいだった。
川の向こう側は高層マンションが立ち並ぶ。窓から漏れる灯りと、その真上から照らす月の明かりを一枚の写真に収めた。せわしない時間の流れから、少し解放される。冷たい風にあたりながら、土手を散歩した。

 

12月の終わりは、やっぱり好きじゃない。

『嫌いやろ?』

「うん、嫌い」

嫌いと言うと、途端にとげとげしくなる。

 

「みぃ、少し分かったことがあるよ。曖昧さは、自分を苦しめることがある」

正確な答えとか、ブレない強い思いとか、納得させる意見とか、ない。それらがないと、今の気持ちが無意識に蓋をされて、曖昧になってしまう気がする。

『右か左か、白か黒かって、必ずしも答えがあるわけちゃうし、答えを出さなくてもええんよな。ただ、繰り返し蓋をした気持ちは、そのままにせんほうがええで、ゆめ子さん』

いろんなことの原因は結局自分にある。けれど私は、私の思いや、それに至る過程を否定したくない。結果には不必要なことだろうけど。

これからもみぃと語る。