余裕なき

玄関の方から、物音がした。
インターホンのカメラを覗くが、誰もいない。

積み上げた”もの”たちが、少しずつ崩れ落ちてる音かもしれない。
玄関近くの、もう娘の元部屋だという名残もないほど散らかった、自室に向かう。

パソコンからデータを送ったプリンターが作動していた。
そうだった。パソコンの操作をしたのは、少し前だが、ようやく動き始めたようだ。

今日は、すこぶるプリンターの調子が悪かった。
一枚印刷するのに、途方もなく時間がかかる。

明日の面談で持参する、複数の書類の印刷をしないといけないというのに。

 

書類を入れるためのファイルは、山ほどあるはずだが、どれもこれも、人前で出すにはちょっとといった具合だ。結局、すでに使用しているファイルから書類を出して、取り急ぎ明日だけのために、入れ直す。

面談が終わると、また書類を入れ替えるという作業が発生する。すぐやるかと言われたら、自信はない。

 

 

とりあえず今日のこと、明日のことをこなしていく、の繰り返しが続いていた。
頭では分かっている。”すぐやる”が、仕事を減らすということも。

 

一度立ち止まりたい。