訪ね人

携帯電話に表示される番号は、知らない番号だった。
電話に出ないでいると、すぐさま、家のインターホンが鳴った。
まだ朝の8時過ぎである。そこには、知らない人が居た。

 

カレンダーに書くのをすっかり忘れていた。ただ、遥子ちゃんの経験がここで活かされる。財布の中には、シール状になった券をすでに忍ばせていた。

玄関前に立つ”知らない人”は、粗大ゴミの回収に来たと言う。
粗大ゴミを出すときには、”有料粗大ゴミ処理券”を貼っておくのだが、その券を持っているか尋ねられた。そう、財布の中にある。レシートに埋もれた券を取り出す。そして、肝心の”粗大ゴミ“は押入の中だ。慌てて取りに行く。一人で運べる、コンパクトなサイズのモノで助かった。

 

つい先日、遥子ちゃんも同様に、玄関前に粗大ゴミを出し忘れて、インターホンが鳴ったと言っていた。券を購入することも忘れていたので、結局出せず、残念がっていた。それを聞いて、申し込み後、すぐにコンビニで買っておいたのだ。まさか、同じことを経験するとは思っていなかったが。

マンション前に出す予定のゴミを、一番奥の部屋である、我が家の玄関先まで取りに来てくれたことが申し訳なく、丁寧に詫びた。

また、一つモノを減らせた。

 

 

片付け意欲も日によって、波がある。
それでも、できる時にできる事をして、進めていく。リバウンドさえしなければ、片付けから解放されるのだ、と言い聞かせ、心掛ける。

家に関するモノは、整理整頓も含めて、”片付け”と総称しているが、その中でも、”元の場所に戻す”という意味合いとは異なる性質のものがある。
レシートの整理である。増えていくものを処理していく、扱いがなかなか厄介だ。

溜めては時間を掛けて整理をする、をことごとく続けている。家計管理の”やり方”が構築していないばかりに、捨てられないのである。

粗大ゴミの券が埋まるどころか、キャッシュカードもなかなか姿を見せず、焦ったばかりだ。
レシート整理に時間を掛けている場合ではない。この件は、早々に着手する。