明らかに、体が反応した。
読書感想文が苦痛だった思い出が蘇った。
しばらくの間、休館すると聞いて、普段は行かない図書館へ二回も足を運んだ。
料理の本を二冊、パソコン関連の本を三冊、そして一冊だけ小説を借りた。
高校の部活動を描いているせいか、登場人物の名前が覚えられないせいか、読み始めてから随分日が経つが、まだ読んでいる。
途中、”ヘッセの「車輪の下」”という文字が目に入った。
この本を知っている。本を読む習慣がなかったのに、この文字を見てハッとした。知っているということは、読書感想文のために選んだのだろう。しかし、内容は覚えていない。
今なら、もう少しまともな感想文を書けるはずだ。句読点や段落を増やして、文字稼ぎをするという当時の手法を使わずとも。
片付けに関する本は借りていない。
残りの片付けは、何をすれば良いか分かっている。
部屋の使い方にも納得している。モノの住所もだいぶ決まってきて、それにも納得している。
服、靴、本、こたつ、テレビ台、テレビ、調理器具、植木鉢、水槽、布団など。
処分方法は様々だが、今年、家から外に出たモノたちだ。その他、細々したモノを含めると、結構な量を処分している。
センスがない。そのことを自覚しながら、当時、ハードルの高い”おしゃれな部屋”を求めていたことも、片付けの悩みの一つになっていたかもしれない。
自室では、寝る以外はベッドに座っていることが多い。パソコンに向かうのにベッドは椅子代わりだからだ。その位置から、部屋の入口に置いた日用品のストックがよく見える。ここが個室だとすれば、見栄えは確かによくないが、個室兼物置だと割り切っているので、なかなか良いアイディアだと自負する。ここにストックがあることは、家族にも周知している。
片付けの終わりが来ても、しばらく模様替えはしないだろう。
家族で過ごすダイニングも、自室も、ぎゅっと狭苦しい。しかし、これはこれでちょっと笑えるし、今は十分である。