明日の予定

電車は地下を走っていた。
ガタンゴトンと一定のリズムに、いろいろな擬音が入り混じる。
車内アナウンスは、電車の音にかき消されないほどの結構な音量だった。車内は案外、騒音にさらされているのだと、気になった。


自宅に戻ると、先程、丁寧に説明された資料を、もう一度見返した。
まだ判断しかねる。すべての資料が揃うのは三日後だった。
また明日も電車に乗る。

 

『ゆめ子さん、ワクワクすること考えてるやろ?』

「うん。そうよ」

『片付け忘れてないよな?』

「大丈夫だよ、みぃ。忘れてないよ」

 

やることリストは、相変わらずつらつらとノートに綴られており、確かに山ほどあった。しかし、次にすることが見えていた。
今日の予定が明日に回ることも、もちろんある。淡々とこなしていくのみである。

書類の次に片付ける場所も決まっていた。そしてその次も。

 

ずっと青いボールペンを愛用していたが、この頃、気分を変えて、マジックペンや筆ペンを使う。

寝る前に、ペンをとる。明日の日付の下に、「W」と最初の予定を書き込む。
今晩降り続ける雨は、明日には止むだろう。土手のどこかで彼女と合流し、いつものウォーキングをする。