景色

乾ききっていない洗濯物は、この頃、鴨居ではなくハンガーラックに掛けられている。鴨居と違って、鬱陶しさもない。夫も気にすることはないし、引き戸をすぐ閉めることもできる。鴨居に掛けたり、下ろしたりの作業もなく、利点ばかりだ。しかし、一度ハンバーラックに掛けられると、何日経ってもそのままだった。

窓際に置かれたハンガーラックが、ごちゃついた部屋に加わり、よりごちゃつき感が増した。そう感じたのは最初のうちだけで、すっかり見慣れた風景になっていた。

 

模様替えが時折したくなる。去年練った案は、実行されることはなく、今に至る。
模様替え後の風景を思い描くと、今度こそ、片付いた部屋を維持できるのではと期待する。実際には、行き場のなくなったものが、結局、いつまで経っても片付けきれないという結果になることを知っている。すべてのものをどこに収めるか決めないまま、見切り発車をしてしまうと危険である。

 

片付けたい気持ちと、相反して、体が楽を選んでいる。
そんな気がした。

 

見慣れた風景を変えられる日はいつだろう。
寝違えた背中の痛みもまた、片付けに制限をかけている。