師走

ぐっと気温が下がった。肩をすくめながら、外へ出る。ごみ収集車を待つ、マンション前に積まれた袋は、いつもより多い。鍵のかかったごみ置き場には、誰かの家で使われていた家電が、粗大ごみの日まで待機する。
皆が、年末に向けて片付けているように思えた。

普段開けない引き出しから、住所録が印刷されたA4の紙を探し出す。ほぼ同じ内容のものが、三枚出てくる。令和もしくは西暦何年か記載がなく、まずはどれが昨年のデータか解読する。次に、色分けが何を意味するのか、過去の自分に問いかける。こんなところでも、管理能力の低さが、無駄な時間を発生させる。
住所録に記載された名前を、私の友達のところを飛ばして数える。その数だけ、干支の入った葉書を買う。

生協の担当者に度々、お正月の早割を案内される。今年選んだ品は、昨年の履歴と一致する。重箱に並べたら済むものばかりで、一から作る日はまだ来ない。冷蔵庫を掃除する日を、注文商品が届く前に設定する。

ふるさと納税の決済をするたび、夫の携帯電話が「ぺいぺい」と鳴る。思うようにチャージができず、夫が苦戦する。代わりに携帯電話を触るも、私も結局分からない。カートに入れた商品はまだ残る。完了するまで、気に掛けておく。

 

太陽と月が交互に顔を出す。ただそれを繰り返しているだけなのに、365日の最初の日を、新たな気持ちで迎えようとする。