右往左往

だいたい、いつもそうだった。刻々と日が迫っているというのに、何一つ終わっていなかった。

なぜ予約時にそうしておかなかったのだろう。当初から遅い時間に到着する予定だったのに、すでに伝えてあるホテルのチェックインの時間は早すぎた。変更の連絡をしておかないといけない。

ホテルに泊まる翌日は、数年ぶりに会う彼と一緒に昼食をとる。座敷よりイスの席を希望している。足腰が弱くなったんだろうなと想像する。駐車場が完備されているところを探す。事前に予約をしておいた方がいいだろう。

今回は子供達が粉もんを食べたいという。こちらは予約せずとも、お店は何軒か調べておこう。滞在期間中、どこに組み込むかも考える。

実家から長い間借りているものも、誰ももう使わないからと言って勝手に処分もできない。それも聞いておく。返却が必要なら今回持ち帰ろう。

今週は台風の影響で、洗濯もままならない。持って行く服の調整だとか、出発の前日はコインランドリーに行こうかとか、考える。

そうだ、靴もだ。夏の途中でようやく買ったサンダルは、街が秋色で飾られてもまだ履いていた。しかし冷房の効いたところでは足が冷えることがある。荷物になるので、余分な靴を持っていくつもりはない。サンダルは便利だが、諦める。さて何を履いていこうか。

何より行き帰りの切符の発券をスムーズにできるよう、QRコードを事前に確認しておかないと、慌てるのが目に見えている。

帰省前にやることがいろいろあった。考えただけで疲れてしまう。

なのに、メルカリに出品するものがあったなとか、書類もあと一息だからやってしまいたいなど、優先順位が低いものが気になったりする。

帰省や旅行前のバタバタは新年を迎える前の、憂鬱な年末の様子に似ていた。「バタバタ」は辞めたいことの一つである。

「片付けられない」ことはいろいろと弊害がある。
頭の中の整理も苦手だから、いつでもこうなってしまう。ただ数日帰省するだけというのに、引き出しをひっくり返して服を決め、普段しない化粧の道具も準備する。

いつでも、持ち物をサッと取り出して、荷造りする。ふらっと、思いつくまま一人で帰省したり、一人で旅ができるようになりたい。
そう、バタバタせずに。